雇用保険 教育訓練給付
雇用保険には、失業中だけでなく在職中でも利用できる給付金があります。そのひとつが、教育訓練給付金です。これは、働く人の能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の支援を図ることを目的としています。受給要件を満たしている人が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、修了した場合に給付金が支給されます。
●利用条件
利用できるのは、受講開始日において雇用保険の一般被保険者である期間が通算して3年以上ある人です(初めて利用する場合は1年以上)。転職した場合は、退職から入社までが1年以内であれば、前後の雇用保険加入期間を通算できます。例えば、A社で2年勤務、6カ月後に転職したB社で1年勤務、合わせて3年以上あるという場合も前後の期間を通算できます。A社の退職時に失業給付を受けていても、A社の加入期間は通算できます。また、退職後でも、退職日の翌日から1年以内に受講開始であれば申請できます。さらに、講座を受講中に退職した場合でも、修了すれば給付の対象となります。雇用保険の加入期間が不明な場合は、ハローワークの「教育訓練給付金支給要件照会票」で確認することも可能です。
給付金の支給対象となる講座は、厚生労働大臣の指定講座のみとなっています。同じ学校の中でも指定講座とそうでない講座がありますので、あらかじめ指定講座かどうかの確認が必要です。
●給付金額と申請方法
講座を修了した場合には、入会金・受講料の最大20%、上限額は10万円ですが、専門的な訓練を受けて1年以内に被保険者として雇用された人に対し、給付を受講費用の最大7割(1年間の給付額56万円上限)とする専門実践教育訓練給付が実施されています。受講料などの支払方法は分割払でも対象となりますが、給付金の額を計算するときは、一括払の受講料で計算されます。また、分割払いで支払い中の場合は、受講期間中の支払い済みの分のみが対象です。
支給申請の手続きは、受講者自身がハローワークに申請します。学校から「支給申請書」と「修了証明書」をもらいます。それに、
- 領収書(クレジットの場合はクレジット契約証明書)
- 住民票か運転免許証
- 雇用保険被保険者証
を添付して、受講修了日の翌日から1カ月以内に本人住所地のハローワークに申請します。申請期限は厳守なのでご注意ください。支給決定後、本人指定口座へ給付金が振込まれます。
2022.04.01 (保坂)