個人でも投資信託で手軽に運用方法をマネできる
日本の公的年金制度には、国民年金と厚生年金の二種類があります。いずれも保険料を納めることで、原則65歳から老齢年金を受け取れます。
この保険料のうち、年金の支払いに充てられなかったお金(年金積立金)を運用しているのが、GPIFと呼ばれる年金積立金管理運用独立行政法人です。
日本は世界でも類を見ない少子高齢社会です。総務省統計局の調査によると、日本における65歳以上の高齢者の割合は29・1%に上り、今後も少子高齢化が進む見込みです。そんな中、保険料を納める現役世代が減ると、将来年金が安定して支払えなくなるかもしれません。そこでGPIFが運用を行い、増やしたお金を年金給付に回そうとしているのです。
GPIFによる運用は、2001年に開始されました。それから20年が過ぎ、2021年度第1四半期時点の累積の収益額は100兆3182億円と、初めて100兆円を超えました。運用する年金積立金の額も増え、今では190兆円を突破しています。
この間、世界的な金融危機となったリーマンショック(2008年)や株価が大きく下落したコロナショック(2020年)などがありました。しかし、それでも堅実に資産を増やせた理由は、投資の資産配分を考え、お金を減らさずに増やす投資を徹底したからです。
運用成績の約9割は、資産配分で決まるといわれています。GPIFの資産配分は、基本的に国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4つの資産に25%ずつとなっています(2020年度以降)。国内と外国の割合が50%、株式と債券の割合が50%と、異なる資産に長期・積立・分散投資することで、年金資産を堅実に増やしています。
将来へのお金の不安はなかなか尽きないものですが、それを解決するために、GPIFの資産運用をマネしてみてはどうでしょうか。国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4つの資産にまとめて投資してくれる「バランス型」の投資信託が手軽で有用です。これを1本購入することで、GPIFと同様の資産運用が実現します。その際、つみたてNISAを活用すれば、運用益にかかる税金が最大20年間非課税となり、投資コストを抑えることができます。