権利付き最終日までに株を買って持っておこう
株式投資で得られる利益には、購入した株の値上がり益、株主に支払われる配当金、そして株主優待の三つがあります。
株主優待は、企業が自社の製品やサービスなどを株主にプレゼントしてくれるものです。上場企業のうち、約1500社が何らかの株主優待を実施しています。
株主優待でもらえるプレゼントはさまざまで、食品や日用品などの製品詰め合わせ、店舗で利用できる商品券、クオカードなどの金券、さらには株主優待限定モデルの商品など、企業によって異なります。個人投資家の中には、株主優待を目当てに投資をする「優待投資家」が出るほどで、一定の人気があります。
株主優待を手に入れるには、各企業の定める「権利確定日」の2営業日前(権利付き最終日)までに、その会社の株を買って保有しておく必要があります。
例えば、権利確定日が2022年3月31日(木)である会社の株主優待に興味がある場合、2営業日前の29日までにその株を買って保有すれば、株主優待が手に入ります。翌営業日の30日は「権利落ち日」で、この日になると、株を売ってしまっても株主優待は手に入ります。極端にいえば、29日に株を買って、翌30日に株を売っても、株主優待が手に入ることになります。
しかし、株主優待を狙うのであれば、そうした売買はお勧めしません。なぜなら、株主優待が人気の銘柄の場合、権利付き最終日に向かって株価が上昇し、権利落ち日になると下落することが多いからです。もし株主優待を手に入れたい株があるならば、権利確定日の1〜2カ月前から保有しておくのがお勧めです。株主優待目当てで値上がりする前に購入しておけば、株価の値下がりで損することも少ないでしょう。
毎年3月末は年度末とあって、権利確定日を迎える会社が最も多い月となっています。株主優待の内容は、証券会社や投資情報のウェブサイトなどで検索できるので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
また、2022年4月に行われる東証(東京証券取引所)の市場再編によって、株主優待を実施する会社が減るかもしれないという報道もあります。株主優待目的で投資を行う際には、今後の動向にも注目しておきたいところです。
※株式投資には、損失を被るリスクがあります。投資の判断は各自の責任でお願いいたします。