東京都 安田学園中学校
一学年 潮 悠人(うしお はると)
小さいころ、祖父と一緒によく消防署に出かけた。
大好きな消防車や救急車を見るためだ。隊員の人達が熱心に見ている僕に気づいて、消防車や救急車に乗せてくれた。僕はそのことがとても嬉しかった。その時、目の前で救急車が頻繁に出動していた。また、僕の家の近くには大きな病院があり、一日に何台もの救急車のサイレンが聞こえてくる。小さいころは、「救急車だ」と大騒ぎして喜んで見ていたが、今となって考えてみると、それだけたくさんの人がケガや病気で救急車を呼ばなければいけない状況だったということだ。
病院に行けば、治療費や入院費がかかる。仕事をしている人は仕事を何日も休まなければならなくなることもある。今回、生命保険のことを学んで、そういう時に生命保険は使われるのだと知った。
治療費や入院費などは、日本の場合、国などによる医療保険制度や介護保険制度などの公的保障があるため、個人の負担額も少なくすむことが多い。しかし治療費が高額になると、自分で備えている私的保障いわゆる生命保険などで足りない部分を補うことが必要になってくる。
先日、祖母が膝の手術を受けた。その時、手術の費用や入院費を保険でまかなうことができたので、安心して治療を受けることができた。今では祖母は膝の痛みもなく元気に過ごしている。このような祖母の姿を見ることができるのは、生命保険のおかげだと思う。
ところで、僕はアメリカで生まれて育った。アメリカは日本に比べて治療や入院にかかる費用がとても高額だ。
例えば、風邪で医者に診てもらうだけで数万円、緊急医療センターへ行くと数十万円、入院費は一泊数十万円もかかると言われている。また、公的保険や民間保険の加入義務はなく、あくまでも個人の意思で保険に入っている。一人ひとり加入している保険が違うので、保障内容によって自己負担としてかかる費用も異なってくる。
アメリカは、もともと医療費が高額であることに加え、民間医療保険の保険料も高いため、保険料を支払わず無保険者になり、必要な医療を受けることができないという問題も出てきている。これが、今アメリカで新型コロナウイルスによる死亡者が多い原因のひとつとも言われている。
日本では国民皆保険制度を導入しているため、アメリカのように驚くほど高い金額を請求されることは少ない。しかし、ケガをしたり病気になったりすることで生活に大きな支障はでてくる。そのため、私的保障の生命保険に加入しておくことは、安心して治療を受け、生活していくことへの支えとなっていくのだと思う。
『備えあれば憂いなし』ということわざがある。このことわざのように万が一に備えておくことは、生活していくうえで大切なことだと思った。
僕も社会人になったら、今回勉強したことを生かして、最悪の事態を免れるために生命保険に加入して、安全で安心なくらしを送りたいと思う。