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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2021年10月号掲載

見えないお金

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都道府県別賞一等

富山県 射水市立射北中学校
一学年 佐村木 百華(さむらき ももか)

生命保険について、聞いたことはあっても少し前までの私は内容を詳しく知りませんでした。毎日元気で、病気になるとか、死ぬとか全く考えたことがなかったからだと思います。しかしそんな私にも、生命保険に関して考えさせられる出来事があってから、少し考え方が変わりました。

二年前、私は盲腸で入院しました。当時は立っていることもできず、死ぬのかなと考えるほど苦しかったです。色々な行事が重なっている時で、入院した時は体が辛いことと、食べられないこと、大会に出られないこと、学校に行けないこと、色々なことがショックで、とても辛い日々でした。私は四日間の絶食後、体調が良くなってきてから、ふと、入院代はいくらくらいかかるのか、心配になりました。毎日付きそってくれている家族にこれ以上心配をかけたくない思いが、日に日に大きくなったからです。恐る恐る、お母さんに聞きました。すると、健康保険と市の医療費助成制度によりお金が出ることを知りました。

「食事代や部屋代など健康保険でまかなわれず、自分で支払いをしないといけない部分もあるけれど、それは、医療保険に入っているから、支払いは少しだけになると思うよ。心配しなくて大丈夫だよ。」

と言われ、その言葉を聞いてほっとしたことを覚えています。その後、元気になって退院してから、もう一度お母さんにお金はいくらかかったのか聞きました。すると、三万円ほどの請求は来ているけれど、後から医療保険の給付金が同じくらい下りることを知りました。安心するとともに、どういう仕組みになっているのか気になり、自分でも聞いたり調べたりしてみました。

まず、両親は私たち子供のために、生命保険の死亡保険と医療保険に入ってくれているそうです。そのために、毎月、お金を生命保険の会社に支払ってくれているそうです。私は、両親が私のために毎月お金を支払っていてくれることに感謝しました。私にとって目に見えないお金でした。そして、今回の入院がなければ、両親がお金を支払っていることを知ることもなく、感謝することもなかったと思いました。

次に、私は、みんなが私のように入院したりするわけでもないのに、なぜ生命保険に加入するのか考えてみました。

そこで分かったことは、生命保険とは、今は元気でも、事故や病気は突然なるものだから、体が痛い思いをしてもさらにお金で大変な思いをしないように、毎月元気なときにお金を支払っておいて、いざというときにお金を受け取って助け合うシステムなのだということです。しかし、病気にならなかった人は受け取るお金よりも、支払うお金のほうが大きくなるかもしれないと思いました。それでも、このシステムは損得ではなく、自分や家族がいざという時のための安心をお金で買っているのだと考えたら、なんとなく理解できました。健康保険や市の医療費助成制度ではまかなえない部分があることも分かり、生命保険に入っておくと助かると思いました。

今、新型コロナウイルスが流行していて、皆、見えない敵と戦っています。新型コロナウイルスにかかると、重症になって亡くなる人もいて、治っても後遺症に苦しむ人がいます。誰しも、病気になりたくてなる人はいません。もし、病気になってしまったら、当然心と体は苦しむので、お金の負担が少しでも軽くなるように"保険"という助け合うシステムがあることを知っておくのは、とても安心になると思いました。

自分が病気になったことで、たくさんの人の支えや保険の見えないお金に気づくことができました。これからも、保険に寄りそって生きていけることに感謝したいと思います。

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