大分県 中津市立城北中学校
二学年 濱野 翔太(はまの しょうた)
「じいちゃーん。」
いつも元気なひいじいちゃんが入院した。お母さんに「大事な話があるから。」と呼びだされた。ぼくは、軽い気持ちでお母さんのもとへ行くと、いつもより深刻な顔をしていた。『何かあったのかなぁ。』と心配で話を聞いていたら、「ひいじいちゃんがガンになった。」と言われた。ショックだった。あんなに元気だったひいじいちゃんが痩せ細ってベッドに寝ていた。「じいちゃん。」と呼びかけると、「おう、来てくれたかー。」と元気よくこたえてくれた。でも、表情は隠せるけど病気は隠せない。
ぼくは、ひいじいちゃんの病気の深刻さをわかっていた。ぼくは少しでもひいじいちゃんに長生きして欲しかったから、いつも面会に行っていた。日に日に痩せていくひいじいちゃんを見るのが辛かったけど、一番辛いのは、ひいじいちゃんだとわかっていた。
ぼくは神楽というものをしている。ある日、ひいじいちゃんが入院した病院に神楽を舞いにいった。ぼくは『じいちゃんのガンがなおりますように。』と必死で神様にお願いした。神楽が終わって帰ろうと車に乗った時、必死でこっちに手を振ってくれているひいじいちゃんの姿が見えた。ぼくも、必死に手をふりかえした。泣きそうだった。ぼくたちに心配させないように辛くてもがんばって手をふってくれるひいじいちゃんに、ぼくは感動した。
でもガンという病気は、九十三歳のひいじいちゃんにとってとても重かった。ぼくのお母さんの誕生日の次の日に亡くなった。ぼくは、『いままでありがとう。』という気持ちをこめて天国へ見送った。ひいじいちゃんが亡くなった数日後、おばあちゃんに生命保険のことについて聞かされた。「だれかが亡くなると、どうしてもお金というものがかかってしまう。それを、少しでも補助してくれるのが生命保険なんだよ。」と。
ひいじいちゃんが残してくれたお金は、残された家族の負担を減らしてくれた。
誰かが困っている時に誰かが支える。ぼくたちにも、いつか誰かを支えられる日がくるのだろうか。いつか、ぼくにも大切な人達ができるのかもしれない。だからこそ〝命〞という大切な物のお金の負担を少しでも減らすためにも、生命保険というものに入っておき、もしもの時に大切な人達を支えられる人になりたいと思った。