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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2022年3月号掲載

『家族愛と健康』

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このコーナーでは、「わたしたちのくらしと生命保険」をテーマにした公益財団法人生命保険文化センター主催による第59回中学生作文コンクールの入賞作品をご紹介します。

生命保険文化センター賞

岡山県 岡山市立吉備中学校
二学年 宮川 メリー(みやがわ めりー)

私はフィリピン人の母と日本人の父を持つハーフだ。母は七人兄弟で、私には十人のいとこがいる。母の故郷レイテ島には何度も行った。田舎だが食べ物がおいしく、人情味のある町だ。私はここをとても気に入っている。今は新型コロナで行けないのが残念だ。

夕食の時、従兄の子供が亡くなったと母親から知らされた。まだ〇歳の赤ちゃんだ。従兄は母の兄の息子だ。年齢は十八歳で高校を中退して仕事をしている。

コロナ禍、病院がいっぱいで入院できず、マニラ市内の病院まで探したが、手遅れとなってしまったそうだ。すぐに入院できたら助かったかも知れない。母は悲しむとともに怒っていた。フィリピンの私立病院は医療費が高く、日本よりも高額になる場合もある。現地人ではとても払いきれないため、入院するのに前払い保証金を要求される。

公立病院は医療費が安い。しかし、患者がやたらに多く、待ち時間がめちゃくちゃ長い。設備は最先端ではなく、衛生面でも私立病院に劣る。急を要する患者は必然的に私立病院に行かなければならない。

従兄の子供がすぐに入院できなかったのは、コロナ禍で病院がいっぱいだったということもあるが、入院の保証金を即座に払えなかったのも理由である。残念ながらこれが現実だ。フィリピンではお金がないと入院できない。治療を受けられない。

しかし、これは日本でも同じことではないかと思う。特別な治療を要する病気になれば仕事もできなくなり、治療費も払えなくなり、生活が困窮してしまう。なんとなく不安になり、お父さんに聞いてみた。

「もしも、お父さんが病気になって、高額の医療費を払えなくて、仕事ができなくなったらどうなるの?」

 父はすぐに返答した。

「俺の代わりに働いて、俺を養ってくれ。いや、お母さんも含めて家族を養うんだ!」

「えっ、そんなの無理だよ……。」

「だろうな。だから保険に入っている。緊急事態には備えてあるからお金の心配はいらない。」

父の話によると、医療保険、収入保障保険というのがあり、重病になって働けなくなっても生活ができるようにしてあるそうだ。また、生命保険にも加入していて、死亡した場合でも私が成人するまでの生活費は確保できるようにしてあるとも聞いた。

だけど、一番大事なのは自分が病気にならないように気をつけて生活することだと言う。父は四十六歳だが、去年から柔道を習いはじめた。道場生は全員、父よりも年下だ。練習のたびに年下の先輩に投げられ、へとへとになって帰ってくる。しかし、とても楽しそうだ。好きなことで流す汗がストレス発散になると言って喜んでいる。

母もダイエットを始め、毎日十八キロメートル程歩いている。腰回りが細くなったのが見てわかる。両親の家族を愛する気持ちが、健康維持であり、保険である。

私は毎朝、元気に「おはよう」と挨拶をする。『家族のことを大事に考えてくれてありがとう』という気持ちをこめて。

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