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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2023年9月号掲載

幸せを当たり前に

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都道府県別賞一等

茨城県 結城市立結城中学校
一学年 塚田 来留美(つかだ くるみ)

「生命保険」

よく私の家にもチラシが届いている。しかし、多くの人はざっと目を通すだけで済ませているのではないだろうか。

生命保険は自分の死亡や病気、ケガ、介護に備えて家族の負担も軽減できる制度ということまでは知っていた。しかし、健康でいたらお金は払い戻しされないので『損した気分で理不尽』と思い込んでいた。父が病気になるまでは。

十三年前、母が私を妊娠していた頃、父は心筋梗塞で倒れた。母は不安と心配で胸がいっぱいになったと話していた。父は自分に適切な保険に入っていなかったため、少額の給付しか受けられなかった。それでも、母にとっては支えになったという。

その後、数日して父の病態は回復したが、大きな病気をした後では十分な保険に入れないことを知った。今後に備えることができないのだ。

しばらくたち、私が小学六年生になった頃、父は脳梗塞になってしまった。夕方に父は、

「調子が悪いから先に寝る。」

と言って眠りについた。その日の夜中、父は冷や汗をかいて飛び起きた。すると、右手の感覚が鈍くなっていた。母は、慌てて救急車を呼び、寝ていた私に、

「病院に行ってくるね。」

と心配をかけないように言った。

父は幸い回復したものの、前と同じく手が動くように必死でリハビリしていた。あの時、父が起きていなかったら、と思うと今でも不安に包まれる。母は、

「病気になる前にしっかりと考えて保険に入ればよかった。」

と後悔していた。私は、健康なうちから将来を見据えることが大切なのだと身に染みた。

だから、私は大人になったら自分に合った十分な生命保険に入りたい。そして、だれでもリスクは予測できないのだから、どんなに健康に自信がある人も保険に入って欲しいと思う。後悔することのないように。

私は興味が湧いて生命保険について調べてみた。生命保険は相互扶助という助け合いの仕組みで成り立っているのを知った。

大勢の人々が公平に保険料を出し合うことでだれかが万が一の際、給付金・保険金を受け取れるのだ。

確かにこの仕組みなら支払った保険料は無駄にならないし、自分の知らない所でだれかの救いになっていると思うと一石二鳥だ。

さらに、保険は安心のためでもあると気付いた。病気やケガをしたとしても、しなかったとしても、保険に入ることで安心するに違いない。

また、保険は一人一人に合った保険内容でシミュレーションするので万が一の際、適切に対処できる。つまり、保険はみんなで助け合い、万が一に備えられるのだ。

保険なんか損するだけと思っていた自分が恥ずかしく思う。そして何より正しく保険に入ることが大切だと感じた。

生命保険はお金のためと思ってしまいがちだが、紛れもなく命を守るため、ということを履き違えてはいけない。

だれでも人生は一度きりで人生の経験者などいないのだ。人が産まれてくる確率というのは、一億分の一ともいわれている。その中から、私たちは選ばれた。

この奇跡を大切に、みんなが楽しく生きていくために生命保険は助けになってくれる。少なからず、限りある人生の中で人が窮地に立たされる機会はあるだろう。

その時助けになってくれるのはもちろん家族や友人。でも、病気やケガになった時、自分が、家族が年を取った時、どうしてもお金が必要ということに気付いた。

当たり前だったことが当たり前にできなくなった時、きっと生命保険は経済面でサポートしてくれる。そして、新しい当たり前を提供してくれるはずだ。

保険に入っていれば、現状を少しは改善できるかもしれない。いつまでも幸せに生きていくために生命保険に正しく入ろうと思う。

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