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Web magazine“Present” 広報誌「Present」Web版

2024年4月号掲載

既契約のお客さまと信頼関係を育てることの大切さ

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転職当初、失敗からの気付き

「今日は台風で午後から大荒れの天気」。
こんな予報が出ていたら皆さんはどのように考え、1日を過ごしますか?

  1. ❶ こんな天気だとお客さまの所には行けない。今日は会社でできる事務作業をやろう!
  2. ❷ こういう時だからこそ多くの営業パーソンは外出しないだろう。
    きっとお客さまも会社にいるはず。そうだ、あのお客さまにアポイントを取ってみよう!

これは、極端な例かもしれませんが、一つの事象に対してどう捉え行動するか。
私たちのような保険セールスパーソンに求められる大切な考え方、行動習慣の答えがそこにはあります。

転職当初、私はのような考え方が普通(当たり前)だと思っていました。

ところがこの業界で結果を出している先輩たちの多くはのような考え方、行動習慣を持っていました。
「どうしたら、あのお客さまに受け入れられるか?」、「どうしたらあの社長にお会いできるか?」。こうしたことをいつも考え、「雨が降ったら中止」ではなく、「どんな傘をさして行こうか?」と、工夫して活動していました。

そうした先輩たちの姿を通して私は、「環境に負けない、環境に振り回されない。そして環境をも味方につける!」このような考え方や行動が大事だと気付き、私は自分の行動を見直しました。

そして次の2つのことを決めました。

  • 人のせいにせず、物事を自分ごととして主体的に考える
  • 尊敬できる先輩(メンター)を見つけ真似する

こうした行動を続けた結果、徐々に業績が安定し始めました。

「会社から特に訪問先を与えられないから仕方がない」ではありません。
「どうしたら自分で開拓できるか?」を考え続ける中で「紹介」について深く考え、探究するようになっていくべきなのです。

「紹介したくなる人」に共通する2つのルール

「紹介」をたくさんもらっている人とそうでない人、いったいどこに差があるのか?
「紹介営業」が得意な先輩に直接、その秘訣を聞きに行った際に、「お客さまから見て紹介したくなる人には共通する2つのルールがある」ということに気づきました。

2つのルールとは「ゴールデンルール」と「シルバールール」です。

「ゴールデンルール」とは「自分がして欲しいことを相手にもする」というルール。例えば、「普段から積極的にボランティア活動に参加する」など。こうした行動を心掛けている人は保険業界には比較的多いと思います。

ただ、今の時代は何といっても「シルバールール」が重要視されます。
シルバールールとは、「自分がして欲しくないことは相手にもしない」というルール。言い換えれば、「安心して紹介できる人」は、このシルバールールを何らかの形で常に意識できている人です。皆さんの周りにもきっといることでしょう。

保険業界へ転職した当時30歳の私は、一生懸命保険の必要性を伝えることばかりに意識を集中させ、その結果、友人、知人と徐々に音信不通になってしまいました。シルバールール違反をしていたのです。

「このままではあっという間に見込み客が尽きてしまう」と焦った私は、猛省しやり方を変えました。
そして突破することが出来ました。それが「3分間スピーチ」です。

前職の知人とのアポイントが飲みながら居酒屋でというシーンが多かった当時の私。冒頭相手にこのように伝えます。
「今日は時間取ってくれてありがとう。電話で伝えた通り転職しました。最初の3分間だけで良いので少し話を聞いて欲しいんだけど」と言って、

  1. ❶ 自分がなぜ転職したのか?
  2. ❷ どういう仕事をしていきたいのか?
  3. ❸ 目の前の相手がどうして欲しいのか?

この3つを早口にならないように、また感情的になりすぎないように3分でお伝えしました。
特にについては、「一度だけ勝負させてください」と笑顔で正直に伝えました。それが終わると保険の話はせず、普段通りの話をしました。

すると、その後「我が家の保険を一度見て欲しい」と言われる機会が増えたのです。

その経緯を知人達に聞いたところ、「電話をもらった時点で高尾さんの言いたいことは分かってました。ただ、最初からあまり熱心に勧誘されると引いてしまう。その気持ちも察してくれたのが良かった。何か一生懸命だったから応援したくなって!」と言ってくれました。

また、転職当初にご挨拶で会った際、特に保険の話に関心を寄せなかった人にはこちらから無理に話をせず、「先日はありがとうございました。また半年ほど経って落ち着いたら連絡しますね」という次回に繋がるサンキューメールを送っていました。そして半年後にもう一度連絡して、先方が良ければお会いして自分の成長を見てもらうというやり方にしました。

お客さまの状況や価値観は様々です。こちらの都合で転職したからといって強めのアプローチをするのではなく、相手の状況に合わせながら、見込みを潰すのではなく、ストックしていくような考え方で接することが大切だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!皆さんの日々の活動の気付きになればすご〜く嬉しいです。

PROFILE

高尾 益臣(たかお ますおみ)

株式会社カスタマーリンクス 
取締役会長

同社は、既存顧客からの追加や紹介を得意とする独自の理論「既契約マーケティング」×「オンライン相談」により、コロナ禍でも前年を上回る業績を継続。その手法が業界から大きな注目を浴びている。近著は『結果につながる既契約マーケティング』、DVD『新しい生活様式で紹介につながる既契約マーケティング』(いずれもセールス手帖社)。

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