「既契約マーケティング」とは?
既契約マーケティングという言葉は私のつくった造語で、その定義は上記の通りです。
このマーケティング技術は、既契約者が50人以上になると効果が現れやすくなり、完成するとアプローチに対して30〜60%の成約率が実現可能となります。
その効果は絶大で、「行き先を確保できる」「ストレスが少ない」「環境に左右されにくい」「業績が安定する」など、私たちの日々の活動で課題となる多くのことを解決してくれます。
既契約マーケティングを皆さんにおススメする理由
私は、保険会社はこの既契約マーケティングを新人教育に取り入れていくべきだと思っています。それは、振り返ってみると保険業界に転職した頃が最も辛かったからです。
当時、私は自分に自信が持てず、常に不安を抱えながら、がむしゃらに活動していて、「出口の見えないトンネル」を走っているような気持ちでした。そんな時に具体的なスキルとともに、「まずはアフターフォローできるお客さまを50人つくろう!そして100人を目指そう!そうすれば既契約者があなたの心強いファンとなって、仕事がやりやすくなる!」ということを学んでいたら、明確な目標ができ、この仕事を長く継続する上で大きな支えになったのではないかと思います。
既契約マーケティングは、お客さま、私たち、そして所属会社のまさに「三方よし」に繋がり、それがひいては業界の発展、そして社会課題の解決に繋がると私は信じています。
これが、私が既契約マーケティングを皆さんにおススメする理由です。
既契約マーケティング、いつから始めるのがベスト?
ではいつからこの活動を開始するのが良いのでしょうか?
例えば、1月に契約をお預かりしたお客さまには、来年の1月にアフターフォローでお会いすれば良いのでしょうか?
答えはNOです。アフターフォローの活動「既契約マーケティング」は、契約成立後から始めるのがベストなのです。
私がこの業界に入った頃、紹介の話はお客さまが最も熱くなっている時、つまり、「申込手続き後のタイミング」で行うというのがセオリーとされていました。ところが、実際現場で活動してみると、こちらは申込手続きを不備なく終えることで手一杯。普段慣れない手続きでお客さまにも負担がかかってしまう。そんな中で手続きが終わってから紹介の話をするというのは、1つの面談で大きな山を2つ登るような大変さがありました。
しかもそこまでして、このタイミングで紹介の話をしたからといって、確率が上がるかというと、決してそうでもないというのが私の肌感覚でした。であれば、よりベストなタイミングがないかを私なりに考えました。お客さまの満足度が上がっているタイミングはどこかということが大事です。答えは、先ほどお伝えした一般的なセールスプロセスの先にありました。
このように、契約後フォロー面談を加えるのです。お客さまのところに証券が到着するタイミングで連絡し、その時期にもう一度面談します。そして面談の最後に、今後の年1回のアフターフォローのご提案をします。お客さまが毎年のアフターフォローの提案を受けてくれたということは、お客さま自身も私たちをしっかり受け入れ、永いお付き合いに満足感を持って合意したことになります。この満足感が最大のポイントになります。
この「契約後フォロー面談」の最後にご紹介の話を入れることで私はご紹介の連鎖を生むことができました。と言っても決してその場で「ご紹介ください!」というわけではありません。今回のコラムの締めに私のご紹介の声の掛け方を皆さんにお伝えします。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
PROFILE
高尾 益臣(たかお ますおみ)
株式会社カスタマーリンクス
取締役会長
同社は、既存顧客からの追加や紹介を得意とする独自の理論「既契約マーケティング」×「オンライン相談」により、コロナ禍でも前年を上回る業績を継続。その手法が業界から大きな注目を浴びている。近著は『結果につながる既契約マーケティング』、DVD『新しい生活様式で紹介につながる既契約マーケティング』(いずれもセールス手帖社)。